今回はひょうきんな顔のフグの仲間のお話しです。
皆さん“フグ”って知っていますか?
「フクなら知ってるよ!刺しとか鍋にしたら美味いよね。唐揚げもヒレ酒も絶品だよね。」 なんてお声が一番多くありそうな感じがします。
フグと言っても多種多様で毒性の強いものもあれば、毒性の少ないものもいたり、トゲトゲがあったり、角があったりとバリエーションが豊富なのですよ。
一般的に認知度の高い種類は、食用でもあるトラフグでしょうね。その次は、釣りの外道でもよく釣れるクサフグなどが有名ではないでしょうか?観賞魚の世界では、ハリセンボンやコンゴウフグが有名な部類です。
☆ハリセンボン☆ ☆コンゴウフグ☆
今回はそんな中、シマキンチャクフグの魅力に迫りたいと思います。
一般的にフグは毒性が強く、肝臓、卵巣、皮などに毒を持つと言われています。
フグを水槽内で他のお魚と泳がせていると全滅してしまったなんてご経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
シマキンチャクフグにも、もちろん毒はありますが、他のフグに比べて毒性は低く、他の海水魚と混泳させて調子を崩しても水換えで水槽の状態が戻るほど弱い毒です。(ちなみに、小さな体ながら猛毒を持つミナミハコフグは大きな水槽でも全滅させるほどの毒を持つためレンタルアクアリウムでは基本的に扱いません。)
☆ミナミハコフグ☆
つまり、とても扱いやすいフグなのです。
そして、このひょうきんなフォルム!
おちょぼ口と色彩豊富なアートのような体は泳ぎ方一つ取っても虜(とりこ)になってしまいます。特に女性の方からの人気が高い愛嬌溢れるお魚です。(お魚たちからも一目あるのかも!)
粒のエサをこのちっちゃな口で吸い取るように食べます。泳ぎも早い方ではありませんので他のお魚が水面でバクバク食べていても遅れてやってきて頑張って食べています。
性格もおとなしく、気の荒いお魚とは一緒に泳がせない方が安定して元気でいます。
フグというと、大きな歯があり甲殻類を丸のみして歯で噛み砕いて豪快に食事するシーンを連想される方もおられるかと思いますが、シマキンチャクフグは歯が小さく細かいので嚙み砕くほどのものではありません。
そのため、一般的にはエビや貝などと一緒に水槽に入れているといつの間にか甲殻類が行方不明に・・・などという事故例は経験上ですが、ほとんどありません。
この愛嬌のあるシマキンチャクフグは、お子さんの多い医療機関や調剤薬局などにエビと一緒にお入れしています。
是非、熱帯魚屋さんに行く機会がありましたらこのシマキンチャクフグを探してみて下さい。泳いでいる姿を見るとつい飼いたくなりますよ。
(お値段も2,000円以内くらいですのでお手頃です。)
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
いよいよ一年を締めくくるイベントのクリスマスが近づいて参りました。
レミニセンスで扱うアクアリウムの中もクリスマスのレイアウトということで、サンタさんやトナカイが訪れております。
普段はカクレクマノミやナンヨウハギといったディズニーで人気のキャラクターのニモやドリーが見る人を癒やしてくれますがこの時期はレイアウトも主役のデザインにしております。
海水魚の水槽では飾りサンゴというサンゴの骨格をデザインに用いています。
このサンゴの白い骨格をおもちゃのサンゴと合わせるとファンタジーのような世界観が生まれます。このようなデザインはお子さまの出入りの多い施設さまでは人気があります。(こどもクリニックや幼稚園・キッズルームなどです。)
こちらのお客様は新宿区にある眼科クリニックさんです。
受付横のスペースに幅45センチのキューブ水槽を設置させて頂きました。きっかけは、ご主人が経営されておられるこどもクリニックのアクアリウムをご契約させて頂いたことでした。奥様は眼科の院長先生で「うちにも置こうかしら。」とお話しを下さり、現地へ訪問させて頂きました。
初めて眼科クリニック様にお伺いしスタッフさんと、どのスペースに置けるか何パターンかご提案させて頂きました。
小西「このスペースを有効活用すると、幅がとれますので90センチ以上の大きめの水槽が設置できますね。」
スタッフさま「でも、ここは車椅子の患者さんが待機するスペースでとっているので他の患者さんが歩くスペースが狭くなるし難しいね。」
スタッフさん「この待合スペースのところは?」
小西「ここですと、避難路の導線が妨げられてしまいます。あとは組み込みのテレビの下なのでテレビと水槽で動きがごちゃごちゃになってしまいますね。」
などとお話しを詰めさせて頂いたところ受付横になりました。
この日はアクアリウムのイメージが分かるように受付カウンターの上に小さなアクアリウムを設置して失礼しました。
翌日、撤去にお伺いすると、スタッフさんより「緑の水槽よりやっぱりニモがいいです。」と海水魚の方がお好みということでした。
院長先生も「ここのイメージカラーがブルーなので海水かなぁ。」とお話しくださり、キャビネットをスカイブルーのパネルに致しました。
キャビネットのパネルは様々な色にできます。今回のスカイブルーは柔らかい照明の色とも上手く合いました。
この冬のイベントは、テーマが“サンタが水中村にプレゼント持ってきた!”です。お魚たちもサンタが珍しいのか周囲をグルグル泳いでいます。
お子さんの患者さんやご高齢の方にも大人気のようでスタッフさんから「好評ですよ。」と嬉しいお話を毎週メンテナンスにお伺いした際にお話下さります。
このようなほっこりするアクアリウムをレンタルにて扱っております。
水槽のデザイン・メンテナンスはレミニセンスにお任せ下さい。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
2016年もいよいよ年末に近づいています。街はきらめくイシュージョンのような電飾で飾られ、外に出るとウキウキするような、愛する者同士は愛をよりはぐくむような温かい季節です。(私が感じた外を見て感じたことです。)
クリスマスシーズンでもある影響か、この季節は緑・赤・金という色彩が人の心を動かすように思いました。近くのイタリアンダイニングさんもレトロな空間にポインセチアとクリスマスリースに包まれた暖かい空間になりました。
そういえば、暖かい空間で感じたことなのですが、この季節の花って何をイメージされますか?クリスマスシーズンですのでツリーは思い浮かびますが、あまり装飾にお花を飾ったものが少ないように感じました。
私は、イタリアンダイニングさんのような赤いポインセチアをイメージします。他にもポインセチアを雑貨屋さんなどで見ていると白やピンク、キラキラしたものも売られています。
このポインセチアをアクアリウムに取り入れ、一体感のある水槽のデザインをしたレンタルアクアリウムを手掛けております。11月中旬から12月にかけて、季節の花をデザインに絡めたアクアリウムはクリスマスの色彩がある水槽でいっぱいになります。
写真のように水中も水上も華やかに飾るデザインはバランス感が大事です。ただ飾るのではなく、センスを磨き、設置実績を積むことで一体感のあるデザインに仕上がりますのでデザイン力のあるデザイナーはそう多くはありません。
私どもTOJOグループでは代表の東城 久幸を筆頭にこのデザイン力を高めたデザイナー集団が集まっております。
レミニセンスは、そのTOJO東京を担うエリアで実績を積み毎年、30件以上の設置実績を蓄積していっております。
この季節のポインセチアと一体感を持たせる水中のデザインも大事です。
最も赤いポインセチアに合わせて用いる水草が“ルドヴィジア”という種類です。
このルドヴィジアは、水草の中でも数少ない赤さが強みであり、植える角度で緑と赤の葉の表情が変わる面白さがあります。
デザイナーが取り入れる水草の扱う判断はまさに“面白さ”です。
よく熱帯魚屋さんで金魚と一緒に売られている藻草やカボンバといった水草もこの時期のデザインには、モミの木のような雰囲気もあってよく取り入れます。
市場ではあまり見かけませんが、“シルバーカボンバ”という光沢をもった緑色のカボンバは特に仕入れがあればすぐにこのアクアリウムに取り入れる貴重な種類です。
季節を味わいながら熱帯魚に癒される“ポインセチアを飾る水草を絡めたレイアウト”是非皆様の癒しの空間に取り入れてみて下さい。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
皆さまは熱帯魚の入った水槽・アクアリウムというとどのようなイメージをお持ちでしょうか?四角くて、横長の60cmや90cmほどのもの。もっと大きい1m20cmくらいの水槽で大型のアロワナが優雅に泳いでいるもの。小さくてかわいい30cmくらいのサイズのミニインテリアになるもの。
初めて水槽を設置されるお客様にお伺いした際、だいたい水槽のイメージはこれらの水槽をイメージされておられます。
しかし、水槽はひとえに四角いものだけではなく、様々な大きさ・形を用いております。
レミニセンスのホームページにあるような背が高い水槽や楕円の特注水槽などは一体どのようにしてお客様への設置に至っているのでしょう?
まず、水景デザイナーがお伺いさせて頂く際、お客様が「水槽を置きたい」と思われている検討スペースと、水槽が置けそうな場所を拝見させて頂いております。
それは何故か??? お客様が水槽を設置したい場所は、トップの経営者クラスと現場で相違があるからです。
例えば、クリニックさんや企業さまの場合、院長先生・社長さんは受付に置くと華やかでいいよね~。と言われます。しかし、実際にそのスペースでお仕事をされている事務員さんやスタッフさんからすると不満があることがあります。
「水槽が邪魔で歩く導線が邪魔!」とか「患者さんを呼んでも受付から待合室の患者さんの顔が見えにくくなった」など。
こういう水槽の設置はお客様のことを全然考えていませんね。
レミニセンスでは、医療機器メーカーで営業を経験した私がお客様のスペースを拝見し、このような現場のスタッフさんのお仕事の効率も踏まえご提案をさせて頂いております。
医療現場では、医師の先生に触れることはまずタブーです。清潔に保った手に体が触れてしまうと先生は再度手を洗ったり衣類を着替えたりしないといけない状態になる可能性があるのです。
もっとも、待っている患者さんに一番迷惑をかけます。
その十分な配慮をした空間・スペースを考え、患者さんやスタッフさんが楽しめる場所に最適な水槽をご提案させえて頂く結果、背が高い水槽や楕円型などの特注になることがあるのです。
今回のテーマはキューブ水槽と熱帯魚というテーマです。
■こんな方がキューブ水槽を設置されております。
・サイコロ型のかわいい形で気に入って置いて頂くケース
・狭いスペースでも手軽に置けるから
・特注水槽を検討している前段でサービスを知ってみたいから
・4面すべてで見る場所からのデザインや魚の姿が変わるのが楽しい
などがお言葉として多いです。
写真のキューブ水槽は50cmのサイコロ型をしています。
オーバーフローというろ過槽を持った水槽ですので配線が全く見えないデザイン性の高いものです。
このようなキューブ水槽はレミニセンスにお気軽にお問い合わせ下さい。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
ハロウィンも終わり、街も徐々にクリスマスの飾りが目に入るようになって参りました。
街のお花屋さんでは、カボチャや紅葉ブッシュからポインセチアが目立つようになりました。
レミニセンスで取り扱う季節の花を飾るテラリウムも紅葉からポインセチアを飾ったクリスマス・テラリウムに移り変わりしている最中です。
ポインセチアは、花が赤いもののイメージが多いですが、クリスマスシーズンで明るいイメージの強い白やブルーなども取り扱います。
実は扱うお花は造花を用いています。
造花と言っても、最近のクオリティーは見事なもので、本物とも触ってみないと分からないほど精巧なものを扱っています。
枝ぶりや葉の付き具合も自然観を出す工夫をしています。例えば、買ったばかりの造花は真っすぐに枝があって、葉もしゅっと伸びています。このようなお花は自然界ではありえませんよね。葉をふわりと整え、枝も右に左に折り曲げて自然に伸びる曲げを作るようにしております。
そのようにしてデザインしたクリスマスのテラリウムが写真のものです。
こちらのお客様では、商談スペースの机の上に幅60cmのテラリウム水槽を設置してあります。水中には熱帯魚が泳いでいます。グッピーやプラティーといった色彩が豊富な種類を泳がせています。
赤いポインセチアを中心にクリスマスっぽくキラキラしたブッシュをアクセントに取り入れました。
いつものメンテナンスにお伺いし、デザインを紅葉の彩から冬のポインセチアへの衣替え。秋の紅葉の色彩と冬のポインセチアは“赤色”という色では共通しますが、そのデザインは全く異なります。その違いは何か分かりますか?
冬のポインセチアの方は赤が強いです。
他には?
デザインにキラキラしたものを入れています。
他には??
このような一つのブログのような文章も少し考えてみる遊び心のあるものにすると、面白いものですね。
私の答えは、“空間にマッチする季節の衣替え”と“洋風と和風の差”です。
洋風のデザインは、ポインセチアのような洋の花にはキラキラした派手目のデザインが合いますのでお客様の空間に合わせて派手な場所はより派手にきらびやかにしてみます。
反面、紅葉のような和風のデザインは“わびとさび”落ち着いたデザインや、優美な工夫を致します。
前回アップした紅葉のデザインの投稿をご覧ください。
同じお客様でも空間の雰囲気が秋と冬では全く違います。
間もなく12月、クリスマスの雰囲気を味わって頂き癒されているあっという間に、現在新たな2017年のデザインを考えて年末にはご披露したいと思います。
乞うご期待!!
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
レミニセンスで扱う海水魚では、丈夫なだけではなく水槽全体のデザインを構図として見た中でお魚選ぶ際にコンセプトやテーマを考えております。
サンゴも飼育できるろ過の機能を持ったオーバーフローという水槽を用いる場合、ヤッコという種類を扱っております。
ヤッコは、海水魚の水槽では中型から大型のサイズなため、メインのお魚に取り入れやすく、色彩も豊富です。そのため、「ハワイの海を表現したい」「南国のラグーンを表現したい」などといった 際に欠かせない種類の海水魚です。
その反面、綺麗な水を好むためしっかりと立ち上がった水槽でないと“昨日までは元気だったのに今朝水槽を見たらぽっくり死んでしまいました”なんてことが起きうるお魚でもあります。
それでも、色彩豊富なヤッコの種類は海水魚を飼われている方なら一度は手を出したくなるお魚ですね。
海水魚を扱うショップさんにお伺いすると、まず目にとまるのがチョウチョウウオとヤッコです。「ザ・海水魚!」と言わんばかりのバリエーションの豊富さと色彩に目を奪われてしまいます。
レミニセンスでは、このヤッコたちを混泳させてレンタルしております。
特殊な水槽では、食害のあるサンゴとの混泳も個体の性格と相性を見ながら立ち上げ、ご提供させて頂いたおります。
いま簡単にさら~っと書きましたが、ヤッコの混泳は非常に難しい領域です。ヤッコはショップさんでは個別のケースでバラに売られています。これは、ヤッコ同士は仲が悪く縄張り意識が強いので強弱がついてしまうと弱い方がボロボロになるまで追い回されてしまいます。つまり、先程ご説明したように綺麗なお水を好むヤッコの環境を整えたのち、縄張り意識の強いヤッコの優劣の性格を考え混泳させなくてはならないのです。
このようなヤッコの種類で今回は“シテンヤッコ”をご紹介したいと思います。
このヤッコは、黄色い体を持った中型のヤッコです。だいたい10センチほどの幼魚がショップさんではよく目にします。大きいサイズですと全長20センチほどまで成長します。
シテンヤッコの特徴は名前の通り四点(してん)があります。エラの部分に2箇所、目の上の黒い斑点が幼魚では繋がっていますが、大きくなるにつれて離れ、離れ2箇所。この4つの点を合わせてシテンヤッコと呼ばれています。
目の上の点は楕円形で何やらマロマロした感じですね。(意味不明ですよね・・・。)
お口はブルーの色彩を持ち、ライトの当たり具合でひと際美しくなります。
よく見ると4色も色彩を持ったお魚なのです。
ヤッコの中では丈夫でエサに警戒する種類が多い中、わりと早い目にエサに慣れてくれます。
■デザイナーの扱うヤッコを慣らせるエサ
経験上ですが、ヤッコは岩の隅に隠れてエサに慣れるまでかなり時間を要する種類と簡単にエサに慣れる種類がいます。
シテンヤッコは他よりもエサに慣れることが簡単で、そのエサの種類として、キョーリンさんの“ひかりプレミアム メガバイトグリーン”をオススメします。
公式ページ http://www.kyorin-net.co.jp/salt/sa03.html
このエサは植物性の飼料が入っていますので海藻系を好むヤッコの仲間はすぐに反応してくれます。(ヤッコはレタスや焼きのりも食べるくらいベジタリアンです!)
シテンヤッコも例外ではなく、このエサはよく食べてくれると思います。
エサのサイズは、10センチくらいの個体はMサイズで宜しいと思います。徐々に慣れれば、Lサイズにも挑戦してみて下さい。経験上たくさん食べさせた方がヤッコは長生きするように思います。
黄色い色彩でポイントになる海水魚は数少ないですが、是非シテンヤッコの魅力を皆さまもお試し下さいませ。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
レミニセンスでは、一つ一つのお客様の水槽のデザインを一から創り上げ、ご提供させて頂いております。
毎週メンテナンスにお伺いする際、安全管理を徹底し、カルテにてお客様と確認ののち、サインを頂き、会話をはずませます。
その会話の中にお客様が思う水槽の良さや悪さ、来客された方の印象や今後やってみたいことなど、そして仕事の懸念や成功を分かち合い、助け合うこんなストーリーが日々存在しています。
今回のお客様は駆け出しの頃から信頼関係を気付いてきたお客様です。
私が駆け出しの頃、まだ数台のご契約しかなかった時のお話です。
その時の先代の代表と我々のTOJOグループで忘年会をした時のこと、代表がたまたま私の前の席で会話をさせて頂ける機会がありました。
「小西さんはどんな会社をこれから作りたいの?」などと会社を作ったこともなかった私ながら希望溢れる回答をしていたように感じます。
会話をするにつれ、代表の事務所が池袋にあり、私の事務所から自転車でも10分圏内にあることが分かりました。その刹那、私も不思議な思い出なのですが考えるまでもなく「是非
タダでもいいので水槽を置かせて下さい!」とお願いをしていました。
正直このような無茶な営業はしてはならないと意識していたのですが、「何としても置いてもらってアクアリウムの良さを知って頂きたい。」と無意識にやり取りを交わしていました。
代表は「え!うちに置いてくれるの!?」と一言。その時は無我夢中で2台の水槽を立ち上げて設置させて頂きました。
開業から3年が経ち、お客様の事務所が手狭になってきて移転の話が出るようになりました。「小西さん、新しい事務所に移転する時水槽はどうしたらいいの?」とご質問を頂きましたので一度引き上げて事務所で預かることにしました。
この時には幅45cmの大きめの水槽にバージョンアップして頂いてたので「この水槽を何か今までに見たことのないようなものに創り上げて事務所の引っ越しのお祝いにしたいな。」と考えていました。
今までの水槽は、海水魚の仕様で小型のカクレクマノミやスズメダイが泳いで、デザインは白く見栄えのよい飾りサンゴを扱ったデザインでした。
このまま設置しても同じただ同じ仕様を新しい事務所に移しただけで面白くないなと考えた私は、最も何度の高いデザインに取り組んでみようと決意しました。
それは、“サンゴと混泳ヤッコのコラボレーション・アクアリウム”でした。
普通には「一体何が難しいの?」と思われるでしょうが、このヤッコという海水魚の仲間は飼育レベルも綺麗な水を好むため、多少シビアにならなければなりませんし、ヤッコ同士の同種間で相性が合わないとボロボロになるまで追い回してケンカをしてしまいます。
サンゴはもともと水の綺麗な水質と基本的には強い照明を好みますので水の管理が重要になります。また、強い照明な分、コケも多発する可能性があります。
そして、何より“ヤッコはサンゴを突いて食べてしまう”という点です。様々な参考文献を調べてなるべくヤッコがサンゴを突かない種類を選んでデザインする他ありませんでした、
この状況下で最高のデザインをするという使命は、当時の私の中で最も魅力的で不可能に近い挑戦でした。デザインに使い勝手の良い見栄えの良いオオバナなどのサンゴはヤッコの大好物で使えず、途方に暮れていた時、仕入れ先のショップさんで見たことのないボリューム感のあるサンゴに出会いました。
“ヤナギトサカ”です。
このトサカという種類はバリエーションが多いものの、綺麗な赤や紫といった色彩の種類はサンゴ用のフードを与えなければいけない、強い照明よりさらに上のUVを含んだ照明が必要など難点が多く、丈夫な個体は色彩が地味な種類が多いというデザイナーにとって扱いづらいものでした。
このヤナギトサカを見た瞬間蛍光グリーンに光る姿や丈夫さ、迫力“上手くデザインに盛り込もう”と採用を決めました。
一方お魚の方は、ヤッコを徐々に水槽内に慣らして混泳しても大丈夫なよう試験に試験を重ね、個体の大小や入れるタイミングなどをはかり、4匹まで混泳をさせることができました。(写真に写るヤッコはフレームエンゼル・レモンピール・サザナミヤッコ・ナメラヤッコ)
設置後、お客様は見たことのない空間にビックリ!新たな出発の事務所で美しいインテリアを体感して頂き、仕事にもモチベーションにして頂けたのではないかと思います。
この一品には少なくともこのようなストーリーの魂のこもった情熱があります。
その先にあるお客様の笑顔こそがレミニセンスにとって代えがたい最高の瞬間です。
こちらのお客様はまた新たな水槽に入れ替え、次のデザインを思考しています。
また思い切って楽しんで参りたいと思います。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
皆さんは“ハゼ”ってお魚をご存知ですか?
一般的には、家族連れで楽しむ釣りで獲れるマハゼのイメージはありませんか?
天ぷらにしてもおいしいあのハゼです。
世界の海にはもっと派手な色彩で“絶対食用より鑑賞でしょう!”という種類がたくさんいます。
今回はそんな熱帯の海水魚ハゼ“ギンガハゼ”の魅力に迫りたいと思います。
ギンガハゼを紹介する前にハゼって砂地の柔らかい場所にいるお魚というイメージをお持ちではありませんか?
ハゼには底でじっとしている種類とは別に、実は遊泳性と言って泳ぎ回る種類もいるのです。観賞用で有名なのは“ハタタテハゼ”や“クロユリハゼ”というお魚です。
これらの種類は底でじっとしているというより悠々と泳いで流れるプランクトンを食べています。もちろん、水槽内ではエサに向かって食べに行きます。
今回ご紹介するギンガハゼは底でじっとしていながら、その存在感が何とも言えない気になる特徴があります。
お客様から「最近水槽の中に黄色いハゼが見えないのです。」なんてよくご相談されるほど人気もあり、すぐに隠れてしまう“困ったちゃん”なお魚です。
それでも、丈夫なので水槽内を少し探せばだいたい見つかります。「あの裏の岩が最近のお気に入りのようですね。」などと会話がはずみます。
ギンガハゼは、気分で好きな岩場の隙間から顔を出してじっとしています。水槽の正面が好きな時は眺められる皆さんに愛されていますが、たちまち水槽の裏の岩場を好むようになると、全然姿が見られないことがあります。
そんな時は、エサ場が正面にあるよ!と教えるために水槽の正面に沈むエサを置いてギンガハゼを誘ってみたりしています。
このようなお魚とのやり取りが毎週メンテナンスでお伺いする際に楽しみの一つでもあります。
ギンガハゼの名前の由来は、実は凄いのです!
和名でギンガハゼと名付けたのは今の天皇陛下なのです。
天皇陛下が若かりし時にハゼの研究をされていたことに繋がりがあるようです。(皇后様が名付けられた和名をそのまま取り入れたなどの情報もございます)
日本にはまだ生息はしていないと思われますが、和名を付けた方はVIPな方ですね。
このギンガハゼをテーマに水槽のデザインを考える際、このようなコンセプトで用いることがあります。
「ギンガハゼとテッポウエビの共生した生態系の小型水槽」
「ギンガハゼのペアが顔を出す可愛い南国の楽園」
ギンガハゼは、テッポウエビという小型ながらパチンと大きな音をさせる爪をもったエビと共生する習性があります。
一緒の岩の陰で共に顔を出してお互いを守りあっている姿は愛らしさがあります。
もうひとつは、ギンガハゼが2匹同じ岩場から顔を出しているペアの姿です。
ギンガハゼは基本的に同種間での混泳はダメな習性を持っています。
片方がボロボロになるまでケンカをするほど同じ種類間では気が荒いのです。
たまにペアで販売されていることがありますので、その際はこのようなデザインのテーマを考えてお客様にお入れすることもあります。
くれぐれも、ペアにさせようと混泳させることは避けた方が良いですよ。
時間もかかるでしょうし、ほとんどの場合片方がボロボロになります。(経験談)
黄色い体に水玉模様を持った色彩が明るめのギンガハゼ。
癒されること間違いなしですので、是非とも探して入れてみて下さい。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
アクアリウムの良さは、見る人それぞれに癒されるところが違っていると思います。
綺麗な水槽をただ“ぼーっと”眺めることで嫌なことや現実感を忘れられる。
オスとメスのペアが愛らしく寄り添っている。
エビがお魚のクリーニングをしている姿。
本当にひとそれぞれですね。
今回は、有名なカクレクマノミとイソギンチャクの小さな生態系を上げたいと思います。
カクレクマノミはその名の通り広い海では、イソギンチャクに隠れている姿をよくテレビや癒しのマリン系DVDなどで目にされると思います。
カクレクマノミは、ただイソギンチャクに隠れることが好きなのではなく、イソギンチャクの強い毒性に守られているのです。
イソギンチャクは、クマノミの種類や一部のスズメダイ以外の体の粘液に抗体を持たないお魚に刺胞という毒針を刺します。難しいことに興味のある方はネットをサーフィンして下さい。いっぱい記事が出てきます。
逆を言うとこの毒針のあるイソギンチャクの中にいれば、どんな肉食魚でも近寄れないのです。人間には、イソギンチャクと戯れているカクレクマノミは可愛い仕草に見えてしまいますが、れっきとした生態系なのですね。
と、私も書いていて難しくなって参りましたので写真でこのカクレクマノミのペアを覗いてみましょう。
この水槽では、カクレクマノミより大きなお魚がゴロゴロ泳いでいます。
(カクレクマノミも2年長生きしているわりと大きめな子たちなのですが・・・。)
大きなお魚が近くを泳ぐとしっかり隠れています。
(フワフワで柔らかそうなイソギンチャクのカーペットは気持ちが良さそうです。)
あっヤバイ奴が!!!
目の前を通り過ぎたシマシマのハタタテダイはチョウチョウウオの仲間です。この仲間はイソギンチャクが大好物で突っついて食べてしまうことがあります。
この水槽内の組み合わせでは、突かれることなくイソギンチャクも広がっています。
(この写真内の組み合わせは一般的ではありませんのでお試しの際は十分に様子を見ながら場合によっては隔離をして下さい。)
それでもこの愛らしさにはかないませんね。
このカクレクマノミのペアは気が強い性格を持っています。そのせいか、他のお魚たちはイソギンチャクの近くを泳いでも相手をしません。近づこうものなら、ハタゴイソギンチャクの毒針の餌食!?というよりカクレクマノミにかじられるのです。
カクレクマノミがかじるって、こんな小さなお魚がそんな強いの?と思われがちですが、メンテナンスの際に手を入れただけでものすごい力で手を嚙みちぎろうとします。
ハマクマノミの大型なものになると人も血がにじむほどの強さです。
ペアになるとこのように攻撃的になる習性を持っています。
メンテナンスでかじられることは仕方ありませんが、お客様には「この光景癒される~。」と大人気ですので、裏方の作業はさておき、癒される愛らしい空間を楽しんで頂きたいと思います。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西
クリニックやオフィスを開業される時、店舗で最も重要なことは技術より「店舗戦略」だと私は思います。店舗のコンセプトが中途半端では、リピーターが増えず、経営の安定は時間もかかることでしょう。
水槽を開業時に導入をお考えのお客様は、「こんな雰囲気にしてみたい」というコンセプト
が明確になっておられるケースが多いように感じます。
今回は、クリニックさまのエントランスと待合室を一体化した埋め込み水槽のお話しです。
白を基調に木調や石材でまとめられた空間は入った印象が明るく自然観が出ます。このような空間でもアクアリウムはその独特の透明感で存在あるインテリアとなります。
一般的には水槽は開業されてからご検討され、後置きでキャビネットをご用意して設置するケースがほとんどですが、開業前から施工業者さんなどとお打合わせをさせて頂き、開業までに作り込む埋め込み式の水槽があります。
写真のような特注の水槽は、施工業者さん、内装業者さんに水槽のシステムを説明し、スペースの要望をお出しします。その際にメンテナンスをどのように行うか、そのためにこのスペースが必須で空けてほしいなどという細かい打ち合わせを行います。
この埋め込み仕様の水槽は、完成してしまってからでは修正がきかないケースが多く、毎週お伺いしてメンテナンスをさせて頂きますので安全面とデザイン面を崩さないよう入念に行います。
患者さんは受付を済ませると、水槽を眺めながら待ち時間を過ごされておられます。受付の裏にはこのようなスペースもあり、くつろいだ状態でアクアリウムを眺められ、診察されるため、リラックスした状態で受診を受けられる配慮がなされております。
水槽のあるクリニックさまでは待ち時間にスマートフォンや雑誌を読まれる方よりも水槽の周囲の椅子にかけられてアクアリウムを眺めてられる方が多いです。(不思議とアクアリウムが見えないところより見えるところへ座られるのは本能的なのでしょうか?)
クリニックさまのメンテナンスは、基本的に診察前後のお時間かお昼休みのお時間に始めさせて頂くケースが多いですが、混んでいて患者さんが残ってられるお時間に始めさせて頂くことがあります。
そのような時は患者さんからお声をよくかけて頂きます。「あのお魚おおきくなったわよね~。いつもここに来ると楽しみにしているのよ!」とおっしゃって頂いています。私も「この子はもう開業からですので長く元気でいてくれていますね。」などと会話しますが、患者さんの方が個々の泳いでいるお魚に詳しくて教えられることもよくあります。
アクアリウムはスタッフさんや診察中の会話の中にも患者さんとの会話の架け橋になっています。
アクアリウムの設置、ご検討の際はお気軽に東京レミニセンスにご相談下さい。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西