世の中にはモノの価値をサービス料としてパフォーマンスする売り方があります。
よくある話では、パソコンの本体料金¥0という家電量販店で大々的にPRしているようなサービスです。
パソコン本体の料金は取らないものの、インターネット通信料を継続する前提として月額の契約を何年か縛ることをルールとしています。
¥0ってパソコンを始めるには、どこのメーカーのものが良いか分からないし、始めるきっかけには打ってつけだね!
こういった手法のビジネスは少なくとも約2年間は継続が必須で万が一解約をされるようなら違約金が発生しますとい文句が必ずくっ付いてきます。
からくりはこうです。
パソコンの本体料金が2年間の契約の中で相殺できるように設定されているのです。
人間の心理として、違約金をうたい文句にすれば、少なくとも2年間は継続しようとしますし、2年経った頃には契約のことなんて忘れて引き続き継続していることでしょう。人間は一度契約したものが数年経てば「待った」とばかりに解約することなど多くはありません。
要は、慣習されたことには鈍感になってしまうのです。
このようなビジネス手法で水槽の”設置料金¥0”をうたうメンテナンス業者があります。
フルスペックの90cmの水槽ならば、どんなに安く見積もったとしても30万円くらいの設置料金が発生します。
設置となれば、水槽やキャビネット、ポンプやクーラー・ヒーターといった器具、海水魚水槽ならばデザインする岩組みのブロック、淡水魚水槽なら流木や石、生体など少なくとも水槽を立ち上げるために必要な一式がなんと¥0なのです。
確かにパソコンの本体価格と同等の金額レベルなのかもしれません。ここに落とし穴と、次の業者が引き継がせない壁ともいえる落とし穴があります。
パソコンは本体が様々な機能を持っています。さらにインターネット通信料金で様々な情報を入手することができます。 パソコンに不具合や故障がない限り人の手を必要としません。
機能だけは満足できる機器です。
では、水槽ならどうでしょう?水槽自体はパソコンのように楽に様々な機能が付いているわけではありません。さらにメンテナンスが必要で人のサービスをパソコンよりも高い頻度で必要とします。
¥0設置料金をうたうメンテナンス業者は月々の支払い料金の中にこの設置料金を組み込み5年ほどの継続契約を前提に契約を交わします。 (リース料として。)
月々数回のメンテナンスを行い、水槽を維持しています。
表面的には、水槽代はタダで月々決まった金額を支払っていればいいから楽だなと感じてしまいます。
問題はここからです。
こういった手法のメンテナンス業者はデザインやサービスはそっちのけで継続を重要視している傾向があります。
要するに長く契約してもらえば定額の収入が得られて楽なビジネスになりますし、このようなうたい文句で契約を次々に取っていけば、たとえ高額な初回設置料金も運転していけるわけです。
だから、サービスとして最も必要なデザインの変化やサービスの質を疎かにしがちです。 場合によっては安全管理も行き届かないひどい状態のものも見受けられます。
何故だか分かりますか?
それは、お客様がパソコンの事例のように解約させられない縛り付けを最初にさせているからです。
「何か最近サービスが悪いな」「魚が死んで連絡しても回収にも来ない」「デザインに変化がなく、飽きたと言っても何も変えてくれない」「解約して次の業者に変えたいと思っても高額な違約金を支払ってからでないと新たな契約もできないし諦めるしかないな。」
このような心理を突いて契約段階から罠にはまっていくわけです。
はっきり言います。
レミニセンスはたくさんのお客様を次々に契約を取って、メンテナンスをこなします!なんて絶対に言いません。
一つ一つの水槽にこだわりと信念を持って向き合います。
我々デザイナーは、任せられた仕事に対し強い変革の力と次にどうしたいのかを考え、
毎週お客様のもとにお伺いさせて頂いております。
次の新しい水槽より”今ある水槽”へのこだわりによって人間関係をお客様と構築しております。
そのため、なかなか担当者が変えづらい面もありますが、一人一人が真剣にお客様と向き合い、長くお付き合いのできる人材を日々教育しております。
これが私たちのモチベーションなのです。
お客様が見えない契約を勧めるより、トコトン悩んで頂いて最も希望されるデザインやレイアウトをお客様自身が信用しているデザイナーにわがまま言ってもらう。
これがレミニセンスの姿勢です。