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緩和ケアとアクアリウムの導入について考えてみました

゛アクアリウムが緩和ケアに必要とされている゛とメンテナンスをしているとある都立病院を担当してから感じています。

医療機関にあるアクアリウムの意味は、単に”インテリア”としてにとどまらず、患者さんやドクター、スタッフさんまでをも癒やすアイテムです。

 

■なぜ緩和ケアにアクアリウム?

 終末期の患者さんは、様々な感情をお持ちです。

 アクアリウムが患者さんに見せらるコトは゛こんな小さな命も元気に泳いで勇気付けられる゛ということに他なりません。

 メンテナンスを担当しているとある病院では、エントランスに海水魚のアクアリウムがあります。

 毎週、定期メンテナンスにお伺いしていますが、都立病院の日常は外来の患者さんでいっぱいです。

 

そんな中、都立病院では、祝祭日も入れるため、外来が無くてもアクアリウムのメンテナンスにお伺いしています。

こんな時は、静かにゆっくりメンテナンスができて通常より丁寧に安全確認やメンテナンスを行っています。

 

そんな時に患者さんから声をかけられることがあります。

 「いつもきれいにしてくれてありがとう」と。

 よく頂く言葉なのですが、今回は考えさせられるものがありました。

 「私は癌でね、いつまで生きられるか分からないけど、ここの魚はいつも元気だから毎日通っているのよ。」

 いつもなら「いつも見て頂いてありがとうございます。」とお声を掛けますが、今回は返答する言葉に戸惑ってしまいました。

 

こんな時、皆さんはどんな言葉が的確だと思いますか?

 

緩和ケアで入院されている方はそれぞれに様々なご事情でアクアリウムを眺めています。

 言葉に戸惑った私ですが、この患者さんには私の夢を語っていました。

 「私の夢なんですけど皆さんが笑顔になれるアクアリウムを作ることが私の生きがいです」と。

 

その患者さんは笑顔で「明日もここに来るね。だってここに通うのが生きがいだから」とおっしゃってくれました。

 緩和ケアにもアクアリウムでも役立つと思える一瞬を経験させて頂くことができました。

 

 

■緩和ケアを勇気付けるアクアリウムの色彩

 当社が扱うアクアリウムは基本的に照明を様々なコンセプトで変えることができます。

最近では、カラーセラピーが色彩の持つ心理セラピー効果として取り上げられています。

海水魚のアクアリウムでは、広い海をイメージした青をメインの照明やバックライトとして用いています。

 青色は爽やかさ、信頼感などというイメージと合わせて誠実さや感情を抑えるような効果を持っています。

カラーセラピーで青色は下記のような要素があります。

① 心身の落ち着き

② 集中力のサポート

③睡眠を促進する

  

また水草を用いた淡水のアクアリウムは緑色を中心に自然観を大事にしてデザインしています。

緑色は調和の色と言われ、赤色のように主張の強い色彩とは異なります。アクアリウムで表現する緑色は安らぎを与える透明感のあるインテリアとなります。

緑色のカラーセラピーの効果

① 疲れた目を休める保養効果

② リラックス作用がある

③ 鎮静作用・緊張の緩和

 

■小さな命が紡ぐ緩和ケアの希望

アクアリウムのメリットは小さな生き物をその目で愛でることでの希望です。

緩和ケアは、患者さんの希望をいかに叶えるか、人間らしい生き方を患者さんに感じて頂けるかではないかと私は思います。

 

この仕事を選ぶ前に医療機器メーカーに勤めていた頃、担当している病院のドクターはそのようなことをおっしゃっていました。

正直に申し上げるとサラリーマン当時はなかなか理解しづらいことでしたが、アクアリウムのデザイナーとして今があると少し分かるように思えます。

アクアリウムという小さな命が生きている空間は単にデザインだけではなく、患者さんは個々のお気に入りのお魚が患者さんが通う度元気に泳いでいたり、寄ってきていたりすることが気分が前向きになられるようです。

もちろん小さな生き物ですから死んでしまって新しいお魚になってしまうこともありますが、緩和ケアを受けられている患者さんは強いですね。

 

「あの子は私の寿命を延ばしてくれた」と感謝しているケースもありました。

 

患者さんがお気に入りの魚を作ることで、緩和ケアの支障にならないかと感じていましたが、小さな命が元気いっぱい泳いでいる姿、例え死んでしまっても同じ種類のお魚が元気いっぱいに泳いでいるとまた勇気付けられるようです。

 

このような事例が緩和ケアのもとアクアリウムは活用されております。

これからも益々アクアリウムの導入で皆さんを笑顔にし、元気になれるデザインを心掛けて参りたいと思います。

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