2016.08.25
H社さまは、我々TOJOグループの印刷物を担って頂いている背景もあり、水草をデザインした淡水のアクアリウムを置いて頂いておりました。
昨年の梅雨時に担当者様から「TOJO本部にある“あの水槽“のデザインは、うちの水槽では
できませんか?」とご相談を頂いたのがこの話の始まりです。
正直なところ、心当たりがなく不意を打たれ、心の中で「あの水槽?」と思いながら会話をしていると
飾りサンゴ(白化したサンゴの骨格)を用いた淡水の仕様であることが分かりました。
これから夏に入るので涼しげなサンゴの白い空間も楽しんで頂けるかなと思い、デザインを変えることを決意しました。
せっかく大胆にデザインを変えるチャンスを頂けたのだから最大限お客様と楽しめるよう魚も海水魚のレイアウトに近いカラフルなものに変えて提案してみよう!
そう思い立ち、通常はアフリカンシクリッドというマラウィ湖産の熱帯魚を用いるデザインとは変えて、海水魚の色彩特徴のある淡水魚で表現しますと明言してしまいました。
デザインを水草から飾りサンゴに換える際、「普段海水のデザインで使用する飾りサンゴが淡水魚で大丈夫なのか?」「果たして水景デザイナーらしく、デザインを組み上げられるのか?」など不安な中、水中空間をデザインしました。
自分なりに合格ラインのデザインができ、メンテナンスカルテ(毎週お伺いした際にお渡しするチェックリスト)と共にお客さまへの完了報告。
「さずが小西さん!!この水槽いいですね!?」
その時の感激する笑顔は今でも脳裏に焼き付いています。
私たちの仕事は、お客様やその先の方々を魅せることはもちろんですが、本当に大事なことはお客様との
コミュニケーションの中からお互いに最大限楽しめることを提供することだと経験させて頂きました。
今でも、来客された営業さんに「うちの水槽いいでしょう!」といつも自慢してご紹介頂いております。
この感謝の気持ちを大事に、これからもTOJOの水景デザイナーとしてお客さまの前で自分の表現を
できることに感謝し続け、お客様が思う、そして自分が思う水景を創って参りたいと思います。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西