2016.11.08
アクアリウムの良さは、見る人それぞれに癒されるところが違っていると思います。
綺麗な水槽をただ“ぼーっと”眺めることで嫌なことや現実感を忘れられる。
オスとメスのペアが愛らしく寄り添っている。
エビがお魚のクリーニングをしている姿。
本当にひとそれぞれですね。
今回は、有名なカクレクマノミとイソギンチャクの小さな生態系を上げたいと思います。
カクレクマノミはその名の通り広い海では、イソギンチャクに隠れている姿をよくテレビや癒しのマリン系DVDなどで目にされると思います。
カクレクマノミは、ただイソギンチャクに隠れることが好きなのではなく、イソギンチャクの強い毒性に守られているのです。
イソギンチャクは、クマノミの種類や一部のスズメダイ以外の体の粘液に抗体を持たないお魚に刺胞という毒針を刺します。難しいことに興味のある方はネットをサーフィンして下さい。いっぱい記事が出てきます。
逆を言うとこの毒針のあるイソギンチャクの中にいれば、どんな肉食魚でも近寄れないのです。人間には、イソギンチャクと戯れているカクレクマノミは可愛い仕草に見えてしまいますが、れっきとした生態系なのですね。
と、私も書いていて難しくなって参りましたので写真でこのカクレクマノミのペアを覗いてみましょう。
この水槽では、カクレクマノミより大きなお魚がゴロゴロ泳いでいます。
(カクレクマノミも2年長生きしているわりと大きめな子たちなのですが・・・。)
大きなお魚が近くを泳ぐとしっかり隠れています。
(フワフワで柔らかそうなイソギンチャクのカーペットは気持ちが良さそうです。)
あっヤバイ奴が!!!
目の前を通り過ぎたシマシマのハタタテダイはチョウチョウウオの仲間です。この仲間はイソギンチャクが大好物で突っついて食べてしまうことがあります。
この水槽内の組み合わせでは、突かれることなくイソギンチャクも広がっています。
(この写真内の組み合わせは一般的ではありませんのでお試しの際は十分に様子を見ながら場合によっては隔離をして下さい。)
それでもこの愛らしさにはかないませんね。
このカクレクマノミのペアは気が強い性格を持っています。そのせいか、他のお魚たちはイソギンチャクの近くを泳いでも相手をしません。近づこうものなら、ハタゴイソギンチャクの毒針の餌食!?というよりカクレクマノミにかじられるのです。
カクレクマノミがかじるって、こんな小さなお魚がそんな強いの?と思われがちですが、メンテナンスの際に手を入れただけでものすごい力で手を嚙みちぎろうとします。
ハマクマノミの大型なものになると人も血がにじむほどの強さです。
ペアになるとこのように攻撃的になる習性を持っています。
メンテナンスでかじられることは仕方ありませんが、お客様には「この光景癒される~。」と大人気ですので、裏方の作業はさておき、癒される愛らしい空間を楽しんで頂きたいと思います。
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西