2016.11.29
今回はひょうきんな顔のフグの仲間のお話しです。
皆さん“フグ”って知っていますか?
「フクなら知ってるよ!刺しとか鍋にしたら美味いよね。唐揚げもヒレ酒も絶品だよね。」 なんてお声が一番多くありそうな感じがします。
フグと言っても多種多様で毒性の強いものもあれば、毒性の少ないものもいたり、トゲトゲがあったり、角があったりとバリエーションが豊富なのですよ。
一般的に認知度の高い種類は、食用でもあるトラフグでしょうね。その次は、釣りの外道でもよく釣れるクサフグなどが有名ではないでしょうか?観賞魚の世界では、ハリセンボンやコンゴウフグが有名な部類です。
☆ハリセンボン☆ ☆コンゴウフグ☆
今回はそんな中、シマキンチャクフグの魅力に迫りたいと思います。
一般的にフグは毒性が強く、肝臓、卵巣、皮などに毒を持つと言われています。
フグを水槽内で他のお魚と泳がせていると全滅してしまったなんてご経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
シマキンチャクフグにも、もちろん毒はありますが、他のフグに比べて毒性は低く、他の海水魚と混泳させて調子を崩しても水換えで水槽の状態が戻るほど弱い毒です。(ちなみに、小さな体ながら猛毒を持つミナミハコフグは大きな水槽でも全滅させるほどの毒を持つためレンタルアクアリウムでは基本的に扱いません。)
☆ミナミハコフグ☆
つまり、とても扱いやすいフグなのです。
そして、このひょうきんなフォルム!
おちょぼ口と色彩豊富なアートのような体は泳ぎ方一つ取っても虜(とりこ)になってしまいます。特に女性の方からの人気が高い愛嬌溢れるお魚です。(お魚たちからも一目あるのかも!)
粒のエサをこのちっちゃな口で吸い取るように食べます。泳ぎも早い方ではありませんので他のお魚が水面でバクバク食べていても遅れてやってきて頑張って食べています。
性格もおとなしく、気の荒いお魚とは一緒に泳がせない方が安定して元気でいます。
フグというと、大きな歯があり甲殻類を丸のみして歯で噛み砕いて豪快に食事するシーンを連想される方もおられるかと思いますが、シマキンチャクフグは歯が小さく細かいので嚙み砕くほどのものではありません。
そのため、一般的にはエビや貝などと一緒に水槽に入れているといつの間にか甲殻類が行方不明に・・・などという事故例は経験上ですが、ほとんどありません。
この愛嬌のあるシマキンチャクフグは、お子さんの多い医療機関や調剤薬局などにエビと一緒にお入れしています。
是非、熱帯魚屋さんに行く機会がありましたらこのシマキンチャクフグを探してみて下さい。泳いでいる姿を見るとつい飼いたくなりますよ。
(お値段も2,000円以内くらいですのでお手頃です。)
TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西