2016.08.09
東城 久幸インタビュー(アクアリウムセラピー 2012春号より)
【ドクターを癒す】
(東城)私は今日、先生にお会いできて本当に良かったと思いました。
私はいま全国に1000件ほどのお客様があるのですが、その3割以上が医療機関です。そして、本当に多くのドクターとお話をする機会があるため、時にはドクターの裏の顔まで見ることができるようになりました。
(石井先生)そうですか。
(東城)
ほとんどのドクターは、患者さんのためを思い、毎日一生懸命診察治療をしています。しかし、そのとてつもないストレスのため、スタッフの方々や家族に対して、あるいは
出入りする何らかの業者さんに対しても威張ったり怒ったりする方がいます。
その方達は必ず顔の表情に表れます。人を寄せ付けない顔つきをされている方がとても
多い中、今日、石井先生を見て、こんな大病院を経営していても穏やかな素敵な顔をされているので、少し安心しました。
私はこのような方から大切なものを教えてもらえたのだな、と改めて思いました。私な
りの統計ですが、病院に水槽を置いてくれるドクターは優しい方が多いんですね。逆に水槽を売り込んでも、「うちはそんなの要らないよ!」と怒られることもよくありました。
断られること自体は仕方のないことなのですが、「インチキな物を勧めるわけでもないのになんで怒られなければいけないのか」と思うことはよくありましたね。
(石井先生)やはりそういう人は余裕がないのでしょうね。日々、患者さんに追われて。
もちろんクレームを口にする患者さんもいますし、仕事も忙しいし、経営面でも決して医者は楽ではありませんから、いろいろ精神的にも追い詰められているのでしょうね。
(東城)ドクターは立場が一般人の感覚ではない逃げられない立場にいます。
だからこそドクター自身がどこかでストレス解消をしたり、このような水槽などで癒されなければいけないのだと思います。
(石井先生)うちには3人のドクターがいますが、使わなくなった水槽を彼らにあげています。だから彼らも家に水槽をおいてお子さんや家族で楽しんでいますよ。
よく川に行って魚を探ってきたりしているようですね。魚の名前が分からないとネットで調べたりしています。
みんなが水槽を持っているとそのような共通の話ができて、楽しいですね。今東城さんの管理していただいている水槽の中でも魚の小さい赤ちゃんがいっぱい生まれてとても楽しいですよ。
そんな話をしながらドクター3人と水槽を眺めていることがよくありますよ。
このような環境にしていただき大変ありがたく思っています。2階にある水槽には色合いが綺麗な魚が入って、入院しているお年寄りに喜ばれていますね。
このような水槽をお年寄りが見るだけで延命効果に繋がると思います。
本当にアクアリウム効果を漠然とではなく脳波や延命効果などのデータを統計的に調べてみるといいですね。価値のあることだと思います。
(東城)
ありがとうございます。今はアンケート調査を私共のアクアリウムがある全国の病院で行っているところです。
(石井先生)
現在の西洋医学的治療は、抗がん剤や抗生物質などが主流になっていますが、これからは代替医療として気功やアクアリウムやアロマ・マッサージなど、病気の本質ではないにしても、治療やサポートする役割の大切さが強く注目されています。
クオリティーオブライフ(QOL)として、人が行きつく先に死があるにしても、どのように残された時間を有効に使うかが問われています。
膀胱がんでしたが抗がん剤を一切拒否していた有名な評論家がいました。彼は、薬の治療より自らの免疫力による治療を優先しました。
人の免疫力は「怒る」より「笑う」ことで上がると言われています。今東城さんがやろうとしていることは充分に世の中で受け入れられる可能性がありますね。
(東城)
会社のオフィスなどに水槽を勧めるとよく「置く所がないんですよ」と言われます。そのような時、私は「その机をみんなどけて真ん中に水槽を置きましょう」と提案するのですよ。
たいてい笑われますが、でも本当にそういうことをしてくれた会社がありました。
そのオフィスは、スタッフ同士のいざこざもなくなり、和気あいあいになったという例も実際にあるのです。やはり働く人は、オフィスが一日の中で一番長くいる場所ですから、そこには癒しの必要性を感じます。
余分なデスクよりはアクアリウムが大切なのです。
(石井先生)そうですね。
私が家に帰ってきても水槽があるのとないのとでは違いますよ。夜8時くらいに帰ってきて食事をする時、魚達を見ているだけで癒されます。
さらに餌をあげると寄ってきますよね。嫌なことがあってイライラして帰宅しても気持ちが安らぎますね。
だから大勢の人がいる所でも必ずアクアリウムはいいですね。
たとえ小さな水槽でもある方がいいですよ。
(東城)アクアリウムの価値は最近になってようやく認められつつあります。
こちらの病院では当初からメインで置いていただけたのですが、最近では新しく開院される病院の設計図に初めから水槽を組み入れて私に相談される設計事務所の方が多くんなっています。
(石井先生)
今東城さんに管理していただいている受付のところにある2メートル位の水槽がありますが、あれは大きくて迫力があります。
よく「誰が世話しているの?」と聞かれますよ。
お子さんも魚をさして喜んでくれるし、大人の人もじっと見ていますね。本当に水槽のなかったところには患者さんによく怒られました。「何時間待たせるんだ!」とね。
(東城)水槽を見ていると時間がゆっくりと感じられますね。
クレームの激減は、患者さん達に水槽を通して安らぎを与えられたこともありますが、水槽があることで職員の方達にもゆとりを与えられたものと思います。
水槽がなくて、患者さんがイライラして、「まだかな」と言葉に出さないまでも、受付を見れば当然見られる側も緊張してしまいます。
水槽があることは患者さんと職員、双方に良い影響を作りだしている訳ですね。
(石井先生)僕は東城さんに水槽の面倒を見ていただいて本当に良かったと思いますよ。
(東城)いいえ面倒を見ていただいているのは私の方ですよ(笑)
今回、鶴ヶ島池ノ台病院理事長・院長の石井 俊昭先生にお話を伺って感じたことは、患者さん達やそのご家族にもアクアリウムやアロマを使って少しでも安らいでもらうよう気を遣っていることです。
ご自宅での対談は私達にも、魚や猫にも優しい石井先生のお姿を見ることができました。先生のまわりには暖炉、アロマ、アクアリウム、そしてご家族と猫と、私から見ると羨ましい限りの癒しのアイテムで満ち溢れていました。ドクターという大変な仕事をイキイキとこなせる理由が垣間見られました。
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TOJO東京 レミニセンス
水景デザイナー 小西